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本の感想とか

杉井光「世界でいちばん透きとおった物語」新潮文庫nex

今日は積読消化デイ。


天気が良かったので表紙が春っぽい作品を選びました。


杉井光の「世界でいちばん透きとおった物語」。


帯に惹かれて購入したやつですね。


「電子書籍化絶対不可能⁉」


こんなの本好きなら買わなきゃでしょ。


著者の杉井光さんは電撃小説大賞からデビューされた方みたいですね。


ライトノベル出身ということもあり、読みやすいです。


私は3時間ほどで読了しました。



ここからはネタバレしますよ。気を付けてね。







正直この作品、面白くないです。


暇つぶしにはちょうどいい、くらいの感じ。


作品紹介にある「予測不能の結末が待つ、衝撃の物語。」ではないです。


予測可能です。ミステリ好き舐めないほうがいいです。


この作品には2つの仕掛けがあります。


作品全体に仕掛けられたものとラストにひとつ。


正直、読書家なら始めの数ページで違和感があるはず。


段落の区切り方、変じゃない?と。


ミステリ好きはその違和感を見逃しませんよ。


宮内の手書きの原稿が出てきた時点でオチが予測できてしまいます。


ラストの空白の5文字の回収も驚きはないです。


5文字と言えば


アリガトウ、ゴメンナサイ、アイシテル、サヨウナラ


のどれかと相場が決まってるし、流れ的にも一択です。


ある意味キレイではありました。



と言いつつも、内容以外は素晴らしい作品です。


なにより仕掛けがすごい。


途中で気づいたけど震えましたね。


この作品を作るのめちゃくちゃ大変だったと思います。


文庫で出版したり、あとがきを使ったりと


面白い仕掛けがたくさんあります。


それだけでも満点の評価をしたいです。


やっぱり紙の本はいい、そう思えた作品でした。